治療・施術レポート

先月多かった痛みや症状

肩凝りと経筋治療

患者様:千葉県 60代 女性(主婦)
<主 訴>
症例報告(肩凝りと経筋治療)
GW明けから、頚の後ろ~背中にかけて、何かがのしかかっている様な感覚がある。普段は、あまり頚や肩に凝りは感じないし、今回も特に思い当たる原因はない。連休中に、庭の草取りをしたぐらい。

頭板状筋、僧帽筋上部および中部線維、三角筋後面の筋緊張亢進。  前腕伸筋群および屈筋群、下肢後面の張りも強い。
<触 診>
頭板状筋、僧帽筋上部および中部線維、三角筋後面の筋緊張亢進。  前腕伸筋群および屈筋群、下肢後面の張りも強い。
<治 療>
まず、後頚部~背部の筋緊張を緩和し、主訴の寛解を図った。徒手で快~やや強めの揉捏および圧迫を加えていくが、思いのほか筋緊張の緩和がみられなかった。頚部や肩関節のストレッチを折り混ぜたが、表層のみの緊張緩和にとどまった。
そこで、治療方針を「局所治療」から「経筋治療」に変更。東洋医学的な観点からすると、後頚部を通過する主に陽経の経脈が通過障害をきたし、そのために後頚部の気血の流れに滞りが生じ、頚肩部の凝りが引き起こされると考えられている。
これに該当する経脈は、手の太陽小腸経と足の太陽膀胱経であり、経脈上の圧痛点や硬結を探っていくと、右前腕(養老)および両下腿後面(承筋・承山)に圧痛がみられた。
母指での揉捏および持続圧迫でこれらの硬結を治療し、再び肩背部の局所治療へ戻ると、先程よりも筋緊張の緩和がみられた。
この緊張緩和により、頭板状筋や僧帽筋などに触擦可能となった硬結に対し、母指または肘での圧迫を加えると、主訴である頚肩部の凝りは寛解した。
<考 察>
今回の肩凝りは、庭の手入れをした際、しゃがんだ姿勢が続いたことにより下腿に、雑草を引き抜く動作の繰り返しにより前腕に負担がかかった結果、硬結や筋緊張が生じ、これらが後頚部を流れる経脈の阻滞を引き起こし、頚肩部の凝りの一因となったのではないかと思われる。
このように、主訴の原因となっているものが、主訴部位局所のみでなく、そこから遠く離れた部位にも存在している例は、他にも多数あり、当院が「全身治療」を行なっている理由もそこにある。
  • 治療・施術スタッフ:鈴木

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